【行政手続きの疑問を解消!】「届出」「許可」「認可」の違いとは?〜一般貨物自動車運送事業に関わる方も必見〜

「行政窓口に行くのが面倒くさい」「何を言われているのか分からない」「対応が冷たい」そう感じたことはありませんか?

特に、一般貨物自動車運送事業など、複雑な許認可手続きが必要な業種では、行政とのやり取りにストレスを感じる方も少なくありません。しかし、そんな方こそ知っておいて損はないのが「行政手続きの基本」です。

今回は、「届出」「許可」「認可」の違いを中心に、行政手続きを少しでも“身近”に感じていただけるよう、行政書士が分かりやすく解説いたします。

■ 「それには許可が必要です」ってどういうこと?

行政窓口でよく耳にするセリフ、ありませんか?

  • 「それには許可が必要です」
  • 「こちらの届出をお願いします」
  • 申請書を出してください」

これらは、すべて「行政手続法」という法律に基づく言葉です。特に一般貨物自動車運送事業では、運輸局などへの申請・届出が頻繁に発生するため、しっかりと理解しておくことが重要です。

「許可・認可」と「届出」の違いとは?運送業における重要な行政手続きの理解

1. 「許可・認可」と「届出」の基本的な違い

まず最初に理解しておきたいのは、これらの手続きが「申請」が必要かどうかに関する違いです。届出、許可、認可は大きく次の2つに分けられます。

  • Aグループ:許可・認可
  • Bグループ:届出

許可・認可は、事前に「申請」が必要です。一方、届出はその通知だけでよいのが特徴です。

2. 申請と届出の違い:運送業の手続きにどう影響するか

では、具体的に「申請」と「届出」はどう違うのでしょうか?
行政手続法の第2条に、それぞれの用語が定義されています。

「申請」の定義

◎行政手続法 第2条 第3号
申請:法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答すべきこととされているものをいう。

つまり、申請とは、自分に何らかの利益を求め、行政庁がその結果の応答を必要とする行為です。この応答を受けて、許可(OK)または不許可(NG)が決定されます。

「届出」の定義

◎行政手続法 第2条 第7号
届出:行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

届出は、行政庁への通知行為であり、その内容に不備がなければ処理されます。

3. 「申請」と「届出」の決定的な違いは「行政の判断」

一番の違いは、行政側の「諾否」があるかどうかです。

  • 申請:行政が「OK」「NG」の返答を必ずする(行政の判断が含まれる)。
  • 届出:行政からの応答はなく、所定の要件を満たせばその手続きは完了する。

これにより、許可・認可が必要な手続きは、申請を通じて行政の判断を受けることが求められ、届出の場合は、法律に基づいて通知することで手続きが完了するということがわかります。

届出は一定事項を通知するだけなので、行政の判断が入ることがありません。一定の事項とは行政側で決まっており、その内容を満たす資料等を提出すれば完了となるものです。

そう聞くと、許可・認可はなんだか難しそうだけれど、届出くらいならなんとか自分でできそうだ!なんて思えますよね。

今日の目的はほぼ終わりみたいなものですが、許可・認可をもう少し掘り下げていきます。

■ 許可とは?〜一般貨物自動車運送事業を例に〜

たとえば、一般貨物自動車運送事業の新規許可申請には、事業計画書、運行管理者や車両の確保、財務基準など、多くの要件を満たす必要があります。

行政はそれらの内容を審査し、要件を満たしていれば「許可」します。
この審査の判断基準が、審査基準として事前に定められ、公表されているのも特徴です。

✅ 行政の判断が入る=裁量がある
✅ 基準に沿って申請する必要がある


■ 認可とは?〜「許可」との違いに注意〜

「許可」と似ていますが、認可はすでに成立した法律行為に“効力を持たせる”ための行政のお墨付きです。

たとえば、農地の売買契約は当事者同士で成立しますが、それだけでは所有権は移転しません。農業委員会の「認可」があって、初めて法的に有効になります。

◎ 許可:これからやる行為をOKするもの
◎ 認可:成立した行為に法的効力を与えるもの


まとめ:行政手続きを“知る”ことが、スムーズな事業運営の第一歩

  • 届出:行政判断なし。条件を満たせば受理される通知。
  • 許可:行政判断あり。申請し、基準に沿って審査される。
  • 認可:法的効果を完成させるための行政のお墨付き。

特に一般貨物自動車運送事業においては、「申請=許可を得るプロセス」が非常に重要です。
申請内容の不備や記載ミスがあると、スムーズに許可が得られず、開業や運営に大きな影響を与えることもあります。


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